世界の筆記具ペンハウス 万年筆が当たる

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 1957年、新設のドイツ空軍にジェット機第1号のアメリカ製F-84サンダーストリークが配備された。しかし、飛行機さえあれば良いという問題ではなく、クルーのために最高の装備品も見つける必要があった。そこで、プロのパイロットに必要な全てのもの(そこにはパイロット・ウオッチも含まれた)に厳しいテストが行われた。
 1985年にはオフィシャル・クロノグラフ選定に向けて新たな入札手順が設けられた。新型機のクルーに最も必要とされたのが機能性と安全性だった。テストとしては、例えば時計を苛酷な加速にさらしたり、極度の衝撃を加えるといったことがあった。ケースは水中であっても完璧に防水性を保つ必要もあった。テスト後の精度レベルが許容範囲内にとどまる必要があったのはいうまでもない。
 各ブランドの時計に徹底的なテストが行われた後、契約はチュチマ社に与えられた。採用の決め手となった同社の自動巻クロノグラフの特徴として、頑丈さや精度はもちろんのことだが、何にもましてクロノグラフ機能を制御する画期的なプッシュボタンの存在があった。これらのプッシュボタンは時計が必ず完璧な防水性を保てるように特別にデザインされたものだ。また、その絶対的な信頼性もドイツ空軍パイロットから高く評価されている。
 1986年以来20年以上も変更されることなくチュチマのミリタリークロノグラフはドイツ空軍機に搭乗し、信頼できる機器として、また、フライトシステム全体に欠かせない一部として役割を果たしている。世界中のジェット機パイロット仲間は、この伝説的クロノグラフを「NATOクロノグラフ」と呼んでいる。



チュチマ社はドイツ軍が規定したスペックを、そのままなぞるのではなく新たな開発を重ね、チュチマ社のエンジニアがより実戦向きのクロノグラフを設計するため、ミュンヘン近郊のドイツ軍の資材検査場メンヒングにてさまざまな検査を実施し、パイロットたちに配布してフィールドテストをおこない問題点を改善した上で誕生させた、いわば軍のスペックを超えたクロノグラフといえる。1986年以来20年以上も変更されることなく制式採用され続けているパイロットクロノグラフの完成形である。

ケース内蔵型の大きなプッシュボタンは、パイロット・グローブをはめている時でも非常に操作がしやすく、また乱気流に巻き込まれた場合でも突出のないデザインは怪我や故障を起こしずらいという利点がある。

 
NATO軍用として制式採用されているチュチマ社のレザーストラップ。裏にはドイツ政府の官有物を示す「BUND」の文字と、NATO管理コードの「6645-12-145-6415」の数字が刻印されている。





チュチマ・コマンドはチタンケースーにチタンブレスレット、反射防止加工のサファイアガラス、防水性能は300m。リュウズは重火器が引っ掛からないように安全を考慮して左に配置されている。秒針はドイツ軍で規定されているオレンジ色を踏襲している。ミリタリー・ウオッチの名門ブランド、チュチマ社と日本との共同開発でレギュラーモデルの仲間入りを果たした「コマンド」は全世界に向けて発売されている。

 




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