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 1927年創立のチュチマ社を今日確立させるに至る代表的なモデルに、1941年に開発されたルフトバッフェ(空軍)用クロノグラフがある。これは当時のドイツ帝国軍の開発命令によるもので、すでに海軍用のクロノメーターやポケットクロノグラフ、ナビゲーション用時計などの精密計時機器を供給し、時計に関するテクノロジーや知識において、スイスと肩を並べるほどの技術を誇ったチュチマ社への信頼は非常に厚かったのである。このモデルは「フリーガークロノグラフ」と命名され、マイクロメーターなどの最新の機器を駆使し、当時、共に空軍に供給されていた“Bウオッチ”(恒星航空航法を行なうための観測用時計)と呼ばれるナビゲーター用リストクロノグラフと同等の精度を実現していた。そして世界で初めての本格的な制式ミリタリーリストクロノグラフとして採用され、戦後のミリタリーウオッチの基本型として各国のミリタリーウオッチに大きな影響をあたえている。
 このクロノグラフは1945年までに約3万本生産されが、戦時中にパイロットと運命を共にしたり、戦後旧ソビエトに没収あるいは破壊され、そのほとんどが消え去ったのである。こうした数奇な運命を持つこのクロノグラフは幻のクロノグラフと呼ばれ、コレクターの間でも希少視されたが、オリジナルが姿を消してから50年後の1995年に、フリーガークロノグラフ1941として復刻され、今日チュチマ社の歴史を語るうえでも重要なモデルとなっている。
 フリーガークロノグラフ1941を発表後、チュチマ社ではこのモデルを軸とし、モデルF2の製作を行ないクラシック・ラインを確立させた。さらにモデルF2からはUTC機能を持たせたF2-UTC、パワーリザーブ機能を持たせたF2-PRを年々発表することで、進化とクオリティのレベルアップを図ってきたのである。まさにチュチマ社の伝統に対する意気込みの表われといえよう。





 チュチマというのは最初は腕時計のブランドではなかった。1927年にザクセンの時計工業の中心グラスヒュッテの数社の時計会社が統合されて発足したパーツ関係のUROFA(Uhren-Rohwerke-Fabrik Glashuette AG)と組立主体のUFAG(Uhrenfabrik Glashuette AG)。この会社が作っていた時計の中で、品質の優れたものだけにTutima(チュチマ)というロゴマークをつけていたのだ。チュチマとはラテン語の「精密な」や「最高の信頼の」という意味の“tutus ”に由来しており、いわゆる一種の等級称号としてロゴマークを使用していた。
 その後の有名作品は1941年のフリーガークロノグラフで、第二次世界大戦後はブレーメン郊外のガンダーケッセで新たに出発したのである。今日ではドイツ軍の公式サプライヤーとして苛酷な使用条件に耐える時計メーカーとなり、また航空用、ヨット用のプロ仕様のクロノグラフの製造をしているのである。
 そのチュチマが新たに発表したモデルがグランドクラシック・シリーズである。チュチマの伝統的なレッドマークの入ったコインエッジ回転ベゼルとコブラハンドを備えたフリーガークロノグラフを踏襲しつつ、ケース径を38.5mmから43mmと大きくしたことにより、より風格を備えたウオッチになった。モデル名の“グランド”とはこのウオッチそのものの大きさを意味するのと同時に、チュチマのパイロット・ウオッチを物語る歴史的代表作であるクラシック・モデルに対して大いなる尊敬の意味も込められている。







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